数値的効果の出る業務改善/業務改革の前提条件
業務改善や業務改革により数値的効果(決算書や試算表上で成果が見られる効果)を発揮するためには、企業の管理システムがきちんと機能している必要があります。中小企業では経営リソース(ヒト・モノ・カネ)が限られているため、多くの改善活動を行う事は困難であり、効果的な活動を行う事が求められています。管理システムが整備されていない場合、改善すべきポイントが把握できないため、数値的効果は運任せになりがちです。例えば、製造業では、ボトルネック工程の改善が効果的ですが、管理システムが整備されていなければ、ボトルネック工程がどの工程は把握できません。
それでは、管理システムが整備されていれば効果が出るかというとそうではなく、従業員の意識も重要です。従業員自身が改善への意識をもち、自主的に活動を行う必要がある為です。業務改善とは、ムダの削減が中心となりますが、業務プロセスの変更を含む業務改革では、難易度が格段に上がり、顧客視点まで必要となるため、従業員の意識が高くなければ、まず成功しません。
創造経営では、数値計画を無視した人材育成だけの小集団活動や人材育成がない改善活動ではなく、管理システム整備と従業員育成を統合的に支援を行い数値的効果の出る業務改善/業務改革を支援しております。業務改善/業務改革のポイントは以下になります。
業務改善/業務改革のポイント
業務改善や業務改革というと製造工程のみをイメージされる経営者も多いですが、営業や経理・総務、購買など全ての部門で必要な活動です。例えば、営業では得意先別粗利(限界利益)や商品サービス別粗利(限界利益)をもとに、どの商品をどの顧客に売るべきかを明確にしたうえで活動を行う営業プロセス変更や、経理の月次決算早期化や事業別損益の作成なども業務改善/業務改革が必要となります。
成功させるためのポイントは、経営計画策定時に明確な経営戦略を立て、改善箇所を絞り込み、各事業部でその数値を実現するための個々の活動レベルまで計画時点で落とし込むことが重要です。つまり、全社計画・部門計画・チーム計画・個人計画まで連動した経営計画を作る事が重要であり、改善活動の土台となる従業員の意識改革も同時に行う事も重要です。
小集団活動のポイント
小集団活動は、業務改善のメジャーな手法で有り、主に製造業を中心に普及しております。ただし、小集団活動の成果が業績改善につながらないケースや小集団活動自体が実行されないケースなど意味のある小集団活動が実施されないケースも多くあります。主な理由としては、①会社の経営計画と小集団活動の目標がつながっていない、②小集団活動のメンバーが活動内容を合意していない(活動の意味を理解していない)ことが上げられます。
1会社の経営計画と小集団活動の目標がつながっていない
前述の通り、改善活動は企業の経営計画と連動する必要があります。経営計画では、数値目標を掲げています。それを実現するために小集団活動などのぎょうむ改善活動を行うため、小集団活動自体の目標も計画と連動する必要があります。
2小集団活動のメンバーが活動内容を合意していない
小集団活動は業務を通して人材育成を行える有益な場です。ただし、小集団活動の目標が経営計画と連動していても、各メンバーが真剣に取り組まなければ成果はでません。各メンバーが真剣に取り組むためには、それぞれが活動内容自体を理解し、納得する必要があります。特に小集団活動のリーダーには、活動の目的や意義について説明し、リーダーに対して何を期待しているのかという思いを直接伝える必要があります。また、小集団活動は現場任せにするだけでなく、責任の所在や進捗報告の場を設けるなど会社の仕組みとして運用することが成果の出る小集団活動につながります。