社長からのメッセージ

代表取締役 森田雅美

世界各地での紛争、中国のアジアへの侵攻などの地政学的なリスクや米中対立の激化、さらには生成AIによるデジタル革命など大きな変革期を迎えています。

生成AIによるデジタル化は、産業構造を大きく変えるだけでなく、人の働き方など社会構造にまで大きな変化をもたらすこととなります。人との関係性は一層希薄になり、成果主義的となっていくでしょう。マスメディアでは、若い人材に投資してデジタル化対応をしてイノベーションを起こし、年功序列などの古い日本的体質を脱却しなければならないと書き立てています。生成AIなどのデジタル化は進めていかなければならないのですが、本当に欧米的な個人が中心とした成果主義的社会になって良いのでしょうか。

日本は一度会社に入ったなら、よほどのことがない限り、雇用は守られています。欧米のような雇用契約で簡単に雇用関係を破棄することはできません。会社も生涯雇用を前提として、社員を守り、会社全体での最適化を図っています。長期雇用が前提ですので、長期的視点での研究開発や技術・技能の蓄積が行われています。

日本的経営というと、いわゆる「年功序列」「終身雇用」「企業別組合」が特徴と言われますが、これだけではなく「人を土台とした経営」であるとも言われます。日本的経営の本質は、人を資本として人に投資し育成することによって一人ひとりが生き生きと働き、各自のクリエイティブを発揮し、結果としてイノベーションを起こしていく経営です。

私たちは、今一度原点に立ち遡って日本的経営の良さを再認識し、日本的システムの中にデジタル化を取り入れ、世界の中での日本の存在を示していかなければならないと考えています。そのためには、社会の最小単位である「家族のあり方」を見直す新しい家族づくりから始めていかなければならないと思います。

「企業経営の原点は、働く人の幸せづくりから」、働く一人ひとりの生きがい、働きがいの創造に、当社は創業時より取り組んできました。私たちは経営理念である「会計の本義を体得し、人類経済秩序の確立とその向上に誠実に努力することを大本とする」のもと、取引先、地域社会、自然環境などの利害関係集団との共生・共益を実現するマネジメント・コンサルティングを目指しています。