2016/10/28

多世帯同居に対応した住宅リフォームに係る特例

1制度新設の背景と概要

出産・子育ての不安や負担を軽減することが重要な課題であることを踏まえ、世代間の助け合いによる子育てを支援する観点から、多世帯同居に対応した住宅リフォームに関し、①借入金を利用してリフォームを行った場合や②自己資金でリフォームを行った場合の税額控除制度が新設されました。

既存の特定増改築に係る住宅借入金特別控除に「多世帯同居改修工事」が追加されることとなります。

2適用要件等

項目①借入金でリフォームを行う場合②自己資金でリフォームを行う場合
適用期間H28.4.1~H31.6.30に居住の用に供した場合
対象となる工事所有する居住用の家屋について行う、調理室、浴室、便所又は玄関のいずれかを増設する工事で、その工事費用の合計額(②の場合は実際の工事費用ではなく『標準的な工事費用相当額』)が50万円を超えるもの。ただし、補助金の交付がある場合には控除後の金額で判断する。
また、改修後には、調理室、浴室、便所又は玄関のうちいずれか2つ以上が複数となることが必要となる。
住宅ローンの要件償還期間5年以上で多世帯同居改修工事等に充てられるもの
標準的な工事費用相当額下記【図表-1】参照
控除額ローン残高※×一定の控除率
※1,000万円超の場合は1,000万円として計算し、限度は年間125千円
標準的な工事費用×10%
※限度は25万円
控除期間5年間 
最大控除額は125千円×5年=625千円
初年度のみ
所得制限その年の合計所得金額が3,000万円以下であること
申告要件登録住宅性能評価機関、指定確認検査機関、一定の建築士等が発行する多世帯同居改修工事に係る証明書を申告書に添付することなど一定の申告要件がある
その他・住宅借入金特別控除など、住宅に係る他の優遇税制(税額控除)と選択適用
・②についてはその年の前年以前3年以内にリフォームし本特例を受けた場合には、同じ家屋については適用不可
・多世帯同居を目的とする一定の工事が対象だが、家族の同居までは要件としていない

【図表-1】 標準的な工事費用相当額

工事の種類
標準的な工事費用相当額
①ミニキッチン設置工事
434,700円
②浴槽及び給湯設備設置工事
1,406,000円
③浴槽だけ設置する浴室増設工事
837,800円
④シャワー設置工事(浴槽なし)
589,300円
⑤地上階に玄関を増設する工事
655,300円
⑥地上階“以外”に玄関を増設する工事
1,244,500円

※計算例
実施した工事が①が2か所、③が1か所の場合
標準的な工事費用=434,700円×2+837,800円=1,707,200円
実際の工事費用を用いずに、実施した工事箇所数に単価を乗じて計算します。