2015/02/09

平成27年における税務上の留意点

1法人課税

(1)交際費課税の見直し
平成26年4月1日以後開始事業年度から、交際費等のうち飲食のために支出した費用(社内接待費を除く)については、50%まで損金に算入されることになります。なお、資本金1億円以下の中小法人については、現行の取扱い(年800万円まで全額損金算入)との有利選択が認められます。

図1 交際費

(2)地方法人課税の見直し
消費税率引上げに伴って生じる地域間の財政力格差是正のため、平成26年10月1日以後開始事業年度から、法人住民税と法人事業税の仕組みについて以下の見直しが行われます。

図2 法人住民税図3 法人事業税

2消費税

(1)課税売上割合
平成26年4月1日以後に行われる金銭債権の譲渡については、消費税の課税売上割合の計算において譲渡対価の5%相当額を資産の譲渡等の対価に算入することになります。

(2)簡易課税制度の見直し
平成27年4月1日以後に開始する課税期間から、消費税の簡易課税制度において保険代理店業などの金融保険業や不動産業に適用されるみなし仕入率が以下のように引下げられます。(個人事業者については、原則として平成28年分から適用されます。)

図4 消費税

3資産課税

平成27年1月1日以後に相続又は遺贈、贈与により取得する財産については、以下の改正が適用されます。

(1)相続税の基礎控除
相続税額の計算上、課税財産価格から差引かれる遺産に係る基礎控除額が引き下げられます。図5 相続基礎 修正後2

(2)相続税の税率構造の見直し
図6 相続税率

(3)未成年者控除
相続税の未成年者控除に係る控除額について、その者が20歳に達するまでの年数に乗じる金額が10万円(改正前6万円)に引上げられます。

(4)障害者者控除
相続税の障害者控除に係る控除額について、その者が85歳に達するまでの年数に乗じる金額が10万円(改正前6万円)に引上げられます。(特別障害者は12万円から20万円に引上げられます。)

(5)相続時精算課税制度
相続時精算課税制度の適用要件が以下のように緩和されます。
図7 精算課税
(6)贈与税の税率構造
図8 贈与税税率構造

4個人所得課税

(1)所得税の最高税率の引上げ
平成27年分から所得税の最高税率が以下のように引上げられます。
図9 所得税

(2)相続税額の取得費加算の特例の見直し
相続した土地の一部を売却した場合であっても、譲渡所得の計算において、相続したすべての土地に対応する相続税額を取得費に加算できる特例が、平成27年1月1日以後に開始した相続により取得した土地から廃止されます。

以上