2011/01/16
行動を革新する業績管理システムその3「事例:トラック運送業 No1」
事例研究:トラック運送業No1
計数管理と実績検討会の定例開催による経営管理の高度化を目指した。効率化・コストカットの段階で、人材と場の創造・付加価値創造に向け活動中である。
経営者の行動革新、意思決定情報による経営状況の的確な把握、幹部全員で意思決定することの重要性への気づきと実行が、経営管理の高度化を進め、成果へとつながっている
1会社概況
車両を50台運行し、倉庫(保管業務)を1か所と営業拠点を2か所持つ。地元顧客を中心に他地域との運送を担い、運送事故はほとんど無く、業務品質による対外信用力は高い。
近年、大口荷主比率が高まっており、直接荷主開発、新規開拓が重要案件となっている。企業の出荷量に左右され、「景気が悪いからうまくいかない」という考えが支配的であった。
業績管理指標として、翌々月に固まる月次試算表と主要得意先売上を管理するが、現状確認のみで、あらたな動きが生み出されることは少なかった。また、作られる数値も変動費の計上基準があやふやで、そのままでは判断に使えないものだった。
目標や計画は無く、幹部による実績検討の場もまったく無かった。
業務責任者が会社運営の幹部という位置づけに無く、自分の職務遂行のみを範囲としていた。幹部は会社の状況をなんとなくわかっているだけで、全員で方向性を共有していない。営業主担当は営業部長であるが、経営トップ層の動きと関わりが弱い。
2期待する効果
- 1自計化:業績把握と対策実行の早期化。将来実績予測による対応策の実行
- 2セグメント化:(部門別損益、)車両別損益、車両別原単位に分解することでより現状を正確に把握する。車両別では車両毎の貢献利益とドライバーの働きが分かる
- 3改善:客観的事実を元にした判断と、そこから判明する業務活動の実態分析を元にした、改善策の実行と実行の主体である管理者の責任能力と改善能力の育成。
- 4コミュニケーションの向上。
- 5営業活動に活用する。交渉材料とし、見積もり受注における適正利益の確保。
(文責:久住 久也 2010)