2011/01/16

行動を革新する業績管理システムその2「情報の活用による行動の革新」

1目の前の宝の山をつかむ(企業活動の中を流れる情報)

定型・基幹業務のシステム化による効率追求、顧客との接点を増やしニーズに対応することよる販路開拓と売上増大、生産管理による現場改善や開発支援、会計情報・活動情報の蓄積と活用によるマネジメントの高度化など、ITは様々な形で企業経営の基盤を形成し、攻めの武器となる。

情報はITを使うと使わずに関係なく、我々の身の回りを取り囲み、流れている。IT環境が身近になり、容易に情報を収集することができるようになった今、その察知の仕方と質、活かし方が問われており、その高度化は経営者の重要な職責である。

その1つが、企業の経営状況を明らかにする会計システムと、その源泉である現場の活動実績や原単位数値も含む業績管理システムである。

2情報を行動に結びつける

実際の行動に繋げるためには、すべての活動の場と、働くそれぞれの階層、部署において意思決定できるように支援し、適切な行動と開発活動へと導くための客観的で即時性のある情報、「意思決定情報」が重要である。

業績管理システムから生み出される、「意思決定情報」は、企業経営にかかすことのできない「今」と「将来」と「具体策」を明らかにする。しくみの導入は進んでいる企業でも、的確な判断と改善行動へと活用できていなければ、その意味をなさない。

3情報のセグメント化

経営層、管理層、現場層のそれぞれの判断基準となるためには、提供される数値や情報が、自分たちの行動に結びつけられるように適度に分解し、かつ要約することが必要である。

顧客別、部門別や事業別、商品別、生産行程別などに分けるセグメント化である。そこで、実績と目標を明示することにより、活動の羅針盤となる。

4PDCAに組み込む

収益やコストの発生現場における原単位情報が把握され、現場活動に活かされることは改善活動の基本である。さらに、その情報が会計情報とともに経営管理層と行き来することにより、会社全体のPDCAが形作られる。

意思決定情報があるだけではPDCAは動かない。重要なのは動かすエンジンとなる「場」の設定と責任者が役割を果たすことである。これで初めてマネジメントシステムとなる。

人材育成と併せて、PDCAの回転を早めることにより、業務のコントロールと開発活動が活性化し、行動の革新へと展開する。(本章最終ページ参照)

5ビジネスモデルの変化を生み出す

顧客や外部との接点において、昨今のITの大きな特徴は、場所と時間と距離を縮め「どこへでも、どことでもつながる」ことを手軽に実現できることである。

アイデアひとつ、中小企業が大手に対抗する大きな武器となり、インターネットやクラウドサービスが強力にサポートする。一般顧客および取引先とのネットワーク化により、高付加価値ビジネスの開発へとつなげる。この分野はITインフラの支えなくして実現できない。

経営情報システムの概念は古くからあるが、ITを使った外部とのネットワークが重要になった今、それぞれの企業の仕組みが整っていないと参加できなくなる。マネジメントに必要な情報を即座に提供する経営情報システムの重要性が増している。

(文責:久住 久也 2011)