2010/01/16

業務改善とITの活用その4 「業務から生まれる情報を活かす」

業務改善を進め、その効果を出すためのIT導入とをマッチングさせ、相乗効果を出す上ではずしてはならないポイントが情報の活用の高度化である。

それは人と人との関係にも似ている。相手を認め、「おはよう」と挨拶をする。相手の気持ちに気づき、自分自身ができることは何かを考えて精一杯行う。よりよい人間関係を築く基本は、情報を活用する基本につながる。

IT(情報技術)はICT(Information and Communication Technology:情報通信技術)ともいわれる。業務の利便性を高めるだけでなく、相互のコミュニケーションを解決する分野にも力を発揮する。通信(つながること)は、情報を活かすためには欠かせない要素である。社内の既存ITの状況について、以下事項を検討していただきたい。

1コミュニケーションツールとして

電子メールや掲示板、WEBの活用などによるコミュニケーションは、IT導入により手軽に利便性を高めることができる。時間と場所を超えて互いを結ぶことができ、中小企業でも広い世界の顧客と直接つながることができる。

また、「WEB2.0」や「クラウドコンピューティング」はWEB技術を利用した概念であるが、既存の業務形態やコミュニケーションを一変させる可能性がある。

社内においても部署間の連絡や知識蓄積に活用できるが、人と人との対面コミュニケーションが土台となる。プロジェクトや業務を通して、互いの価値観の統一と共有をはかることができてIT化の効果が生まれる。文字だけの関係ではあまりにも無機質になりすぎである。

2手作業とアナログ情報

IT導入に成功した多くの企業は、IT化前の「手作業で作り出す情報や仕組み」を十分に活用している。

ITを活用するのは人間である。時間がかかってでも自分たちの手作業でできないことは、ITにおきかえても効果的に動かすことはできない。

まずは「活動内容の記録を紙にとる」こと。

営業日報や生産日報、クレーム処理、ミスロス記録など。記録にとる仕組みがなければ、とるように仕事の改善を進めて欲しい。

手作業のレベルで、ルールに従った業務が行える体制や育成ができて、始めてIT導入後に、適切な時に仕事の正しい結果が入力することができる。また、IT導入は仕事のやり方を大きく変える。業務を改善する力が育っていないと変化に対応できずに、効果が出るまでに時間がかかる結果となる。

生まれた情報の2次加工がされているかもポイントである。集まった日報が机の中に眠っていないだろうか。集まった日報から業務に役立つように加工し分析をする訓練が、IT導入後の情報を活用できる人材を育てことになる。

(文責:久住 久也 2010)