2010/01/16
業務改善とITの活用その2 「生産性向上とIT」
1生産性向上とIT
IT導入によって解決を期待することに「定型業務の効率化」を上げる経営者は多いが、厳しい環境が続く今、生産性を向上させて競争優位を実現することが重要な課題である。
生産性向上は、効率化(業務改善)と収益力向上(付加価値創出)の両者の実現によってより効果が大きくなり、目標数値も付加価値生産性(社員1人・1時間当たりの付加価値額)で設定することができる。
この、付加価値生産性の向上を目指して何をしなければならないか検討する際、いきなり、「どのようなITを導入しようか」という議論にはならないことがおわかりいただけるであろう。
ITによって実現可能なことを押さえておきながら、顧客に喜んでいただけるサービスを提供するために必要なことは何かをはっきりとさせ、実現するために業務システムを設計し業務改善を実行する。付加価値向上につながる改善である。効率化だけを目的としては不十分である。
その他にも、
- 1生産性目標の設定と必要な付加価値の算出、
- 2現状の業務内容と売上構成で達成可能であるか、
- 3経費削減、人材育成と人員配置、具体的な現場改善の進め方、
- 4改善内容が社内だけで進められるものか社外との協力が必要なものか、
- 5顧客の特性把握、品質向上、商品開発
など実行内容は多くある。
これら業務の情報を整理整頓し、有効な情報として提供することはITの得意分野であり、戦略的に活用することが他社との競争力の源泉となる。日本創造経営グループもこのフレームワークを「SRE2」として位置づけ、改善活動に取り組んでいる。
(文責:久住 久也 2010)