2008/01/16

情報創造の展開 その1

 情報化が進んで来るにしたがって、それをうまく活用している会社と、そうでない会社の間で経営力に大きな差がついて来ている。(株)ソウケイ・ハイネットでは会員企業の情報創造のお手伝いをして久しいが、今回は情報の本質について考えてみたい。

 もともと情報とは、生物が生きていくために必要な情報であり、これを生命情報と呼ぶ。人類にとっては言葉を使い始めたことがそれに相当する。これが文字となり一定のルールを与えられたとき社会情報になる。活字の発明は世界中の情報の流通にとって画期的な出来事であると同時に、現在でも世界を支配していると言ってもいいであろう。
 
 この文字情報がデジタル化されたものが機械情報であり、コンピュータの発達によって、社会構造そのものを変化させようとしている。
 電子計算機の開発は1946年のENIAC(Electronic Numerical Integrater and Calculater)から始まったとされている。これは砲弾の弾道計算に使われたもので、約18,000本の真空管を使い、長さ30m、重さ30トンという代物であった。
 1959年になるとトランジスタを使った第2世代機が誕生する。1961年に創造経営が通産省の依頼で中小企業向けの情報化に対する意見を求められたとき、トランジスタの偉大さに目を見張ったと伝えられている。第1世代が配線によってプログラムされていたのに対して、第2世代ではプログラム内蔵方式(ノイマン方式)へと進化を遂げていた。
 1964年になるとICが使われるようになり、電子計算機はコンピュータへと進化を遂げたのである。 第3世代機の代表と言われるIBM360は、単なる事務計算でなく360度、全方位の仕事に対応できるという意味であり、この成功でIBMは世界の巨人と呼ばれるに至る。
 1972年にはLSIを使った第4世代機が登場し、IBMの独走がまだまだ続くと考えられていたが、実際には1980年代になってIBMは行き詰まりを見せる。メインフレームによる大鑑巨砲方式から、ミニコン、パソコン中心の航空母艦方式に変わっていたことに対する対応の遅れが原因であった。
 1986年になり光通信時代が始まり、ネットワーク時代が幕を開けた。1995年のWindows95の登場は、世界中の人々がインターネットを使える様になったという点で、大きな転換点となった。
 2005年くらいからインターネットの世界は新たな展開をみせ、Web2.0と呼ばれる時代に入っている。世界のどこからでも情報発信ができる環境が整備されたわけであり、これを活用した新しい事業も開発されている。
 しかし、現在インターネットで公開されている情報は機械情報が大部分であり、必ずしも人類を幸せにする情報ばかりではない。逆に情報を使う一人ひとりの人間性、倫理観が問われる時代になったと言うべきであろう。
(文責:岩崎 明 2008)