2024/08/01

先端ITと企業経営との接点 AIの観点から 1

近年、AI (人工知能)技術の発達は目覚ましく、特に生成AI は、高度な言語処理とコンテンツ生成ができることから多方面から注目され、企業経営にとって今後、活用できる可能性は大きい。経済産業省も、2027年には生成AIの開発に必要な計算能力を20~30倍に拡大する目標を示した。これからの取り組みとは言え、理解が進んでいないことも多いIT技術であり、活用範囲は限定的で大きな価値創出には至れていないが、ダイナミックに取り入れることができれば、少ない経営資源でも新たな顧客接点が生まれ、他社との競争優位性を確保できる可能性がある。
また、作業生産性の向上に寄与する分野も大きく、生成AIの活用を通じて、DXの推進を後押しすることも期待される。これからの動きに対する準備が重要な段階を迎えている。知らないでは済まされない領域である。
そこで、 中小企業の経営者・従業員が生成 AI を導入・活用するにあたって最低限必要な知識・利活用法・注意事項をとりまとめ、AI を武器として自社の生産性向上、競争力強化への検討材料としていただきたい。

AIの機能

AI技術の利用状況

作業効率の改善、生産性の向上に関する活用局面が多い。

ChatGPTを含む生成AIの活用状況について、「活用している」と回答した企業の割合が 5.7% 、「現在活用していないが、今後活用を検討している」は 29.6% 、生成 AI を「活用している」と回答した企業では、「コンテンツ作成・校正(社内外向け文書、メール・挨拶文等)」に活用している企業が最も多く57.1%である。(2023年東京商工会議所調べ)

さらに、2026年には企業における普及率は70%を超すという見通しも出ている。(米国ガードナー社予測)

後述するような課題を含みながらも、どのように生成AIに向き合っていくべきか考えなければならない段階である。

次回は、生成AIが抱える課題と活用する人材育成について触れる

(文責 久住久也 2024)