2018/03/01

若手コンサルタントの一日(ホテル改善事例編)

1.概要

毎月指導に伺っている、とある観光地にあるホテルの施設改善の一日をご紹介します。当ホテルは、日本でも有数の温泉地にあり、最近は中国・東南アジア等の近隣の国から訪れるインバウンド旅行客で賑わっています。そんな当ホテルからの依頼は、CS(顧客満足度)の評価向上です。某旅行専門サイトでのスコアアップに向けた指導をしています。

 

2.施設改善の現場

当ホテルは、指導を始めて数カ月となり、マネジメントシステム上の問題に対して、改善提言を行い、支配人中心に改善に取組んできました。

毎回、訪問前には某旅行専門サイトでの口コミの指摘内容や評価の推移等を分析し、先月訪問した際に指導した内容が効いてきているか、といったことや、課題に対する仮説をもって、指導に入ります。

訪問後、まずはお客様の視点で、サービスの内容を実際に見て確かめます。フロント接客応対、館内・客室清掃、レストランでの接客応対やメニュー、イベント等。

毎回少しずつ変化する要素がある(宿泊客の数や、国内・海外客のシェア、スタッフの数等)ので、そういったことにも注意して見ていきます。

今回も、視察を通して複数気づいた点がありました。マネジメントシステム上の改善点を中心に、支配人と今後の対策を練っていきます。新たな提言をする際には、取り組む根拠やコスト面等、趣旨をよく理解してもらえるように準備しておくことが重要です。また、雑談の中で、色々なホテルの取組み事例等を話すこともあり、日々広く情報収集をすることも大事だと感じています。

これまでの某旅行専門サイトでの評価は、月間では各月とも前年度を超え高い評価を得られています。ひと月だけ、繁忙期に例年を大きく超える宿泊客が入った一方で、評価を落としてしまったことがありました。当ホテルでは、これからまた繁忙期に入るため、ここでいかにサービスを維持できるかで、当年度のCS評価が決まります。この繁忙期対策に向けたオペレーションおよびマネジメントシステムの構築が残る課題であり、支配人と意識合わせをして、今後の取組み事項の再確認を行いました。

 

■訪問後

顧客満足度は大事ですが、家族満足度も大事ですよね。ということで、出張の際は毎回家族にお土産を買います。

初回訪問の際は何を買ったら良いか迷っていたのも、毎月行っているとどんな物が良いか掴めてきます。最近は、「ご当地ラーメン」が欠かせません。これと、子供用に某人気キャラクターグッズを購入し帰路に就きます。

出張では家を1~2日程空けることもあるので、お土産と、休日には家族と楽しい時間を過ごすことが、家族満足度の維持には欠かせないなぁと感じています。

 

3.おわりに

コンサルティング先となるクライアントは、業界・業種によって、さらに企業ごとに、組織が異なり、課題も異なってきます。そのため、一緒くたに課題や改善策を出すことはできません。現場を直接見て、課題となっている物事を感じ取ることは必須ですし、クライアントの業種・業界、関連する知識を持っておくことが、その後の診断・指導の質を高められると感じています。多くの現場を見て経験を積み上げ、同時に日々、勉強をすることで、指導力のあるコンサルタントに近づけると感じており、そこには時間の使い方を見直しながら、取り組んでいくことが求められます。コンサルタントは、やればやるだけ自己を高められるやりがいのある職業であると感じています。