循環型社会の実現に向けて 「トラック環境経営」
荒廃した人々の心、社会秩序の崩壊、とどまることを知らない環境破壊・・・かつてないほどの悪環境の中、経営者は何をすべきか?
「いまこそ、日本独自の文化に根ざした経営を実践するときが来た!」
企業の発展は、それを構成するメンバーの生命活動の創造性が原点となります。自然や周りの人々に生かされていること(共生)、それにもとづく創造的生活を通して、周りの人々への貢献(共益)こそ、企業の持続的発展を可能にします。
本書は、共生共益の人づくりを通して、生活者を中心とした社会経済の秩序づくりを目的として います。豊富な事例とその体系は、会社・職場でご活用頂けます。
■第1章 環境経営の必要性 環境経営しか生き残れない時代に
1.環境問題と経営
2.人口の増加と地球環境問題
3.日本経済と環境問題
4.地球温暖化と京都議定書
5.トラック運送事業における環境問題と対策
(1)地球温暖化対策
(2)大気汚染問題
(3)廃棄物問題
(4)騒音・振動問題
6.トラック運送事業の現状と課題
(1)トラック運送事業の現状
(2)増大する事業者数と経営規模の格差
(3)財務諸表にみる経営状況
(4)経営力の充実と環境問題の克服
■第2章 環境経営の体系
1.企業の社会的責任
2.生かされている企業
3.環境経営に向けて
(1)環境効率の良好な企業
(2)環境効率の向上
(3)環境経営の経営効率
4.環境経営の目的
5.環境対策についての業界の現状
6.環境経営の展開
(1)環境マネジメントシステムの形成
(2)職場における環境負荷の低減-エコドライブ-
(3)輸送、物流サービスの環境負荷の低減
(4)燃料、タイヤ、車輌等の購入先、傭車先等との連携による環境負荷の低減
(5)環境に優しい事業開発
7.環境経営を実現する人、技術、会計(情報)
(1)経営者と中核人材の確保と育成(人)
(2)環境経営にむけて技術の活用
(3)環境経営に秩序と統制を与える会計システム
8.環境経営と企業群ネットワーク
9.環境経営のマインド
■第3章 マネジメントシステムづくり-自立的経営の確立-
1.マネジメントシステムづくりのストーリー
(1)環境経営と経営体質改善
(2)マネジメントシステムを支える人材育成と会計のシステム
(3)マネジメントシステムづくりのストーリー
(4)マネジメントシステムの充実
2.マネジメントシステムの事例
(1)トップの人格能力開発を基礎とした取り組み
(2)現場改善に根ざした環境経営への取り組み
(3)経営体質改善を進め、理念を実現する計画づくり
(4)計画を遂行する組織づくりと教育
(5)実績検討と先行管理の実践
■第4章 エコドライブと安全・ローコストが経営の基本
1.トラック運送事業の基本
2.エコドライブと企業性格診断
(1)企業性格診断の目的
(2)企業性格の五段階
(3)KD-I調査による企業性格の測定
(4)企業性格にもとづく改善プログラム
(5)スタッフ育成のための組織
3.ドライバーの確保と育成
(1)採用
(2)教育
(3)組織
(4)基準
(5)利益管理
(6)成果配分
4.小集団活動(班活動)
(1)班編成と班活動
(2)班長の育成が活性化のポイント
(3)班活動の支援体制
5.班長を中心とした小集団活動の展開
(1)班長の役割と班編成
(2)班の運営
6.エコドライブ運動の展開
■第5章 ITの積極的活用
1.ITの進化がもたらす物流効率化
(1)物流サービスの負荷低減
(2)物流情報システムの種類
2.デジタコ導入によって燃料費は改善できるのか
(1)タコグラフの歴史的背景
(2)デジタコの特徴
(3)デジタコによる改善効果
3.デジタコ導入事例による燃費の向上
(1)企業概要とデジタコ導入の目的
(2)デジタコ導入のステップ
(3)デジタコによる改善効果
(4)GPSとの連動によりさらに詳細な分析が可能に
4.IT活用に平行するドライバーの教育と組織化
(1)ITを活かす管理者とマネジメントシステムの確立
(2)ITとドライバーの意識がマッチして生きてくる
(3)デジタコ情報の活用事例
5.運行データを活用した給与システム
(1)毎月の給与に連動
(2)年二回の評価
■第6章 環境経営を担う人材育成システム
1.経営者の経営目的の創造とビジョンづくり
(1)環境経営を貫く経営ビジョンづくり
(2)環境経営における人材育成の基本
(3)持続的発展を続ける企業づくり
2.環境経営に求められる人材と組織編成
(1)マネジメントシステムを支えるエコ機能担当者
(2)エコ機能担当者を統率する環境管理経営者
(3)環境経営の第一線にたつ物流機能担当者
(4)環境経営を実現していく経営基本機能
(5)環境経営のステップに応じた機能編成
3.環境教育の展開
(1)環境教育の構成について
(2)初年度環境教育の実施例
(3)環境教育の浸透
4.環境経営を染み込ませる土壌づくり
(1)環境経営は「人づくり」から始まる
(2)“いのち”の働きを高める創造教育-創造経営教育システム-
■第7章 環境経営を支える会計システム
1.会計システムの体系
(1)環境経営における会計の目的
(2)会計システムの構築ステップ
2.原単位管理がエコドライブの実現を支える
(1)内部統制制度と月次決算制度の確立
(2)原単位管理がトラック運送事業の会計の原点
3.車輌別損益管理により運行効率を改善する
(1)車輌別損益システムの構築
(2)車輌別損益の活用方法
(3)R社における原単位管理と車輌別損益管理の事例
4.ライフサイクルコスト管理による環境負荷低減
(1)車輌のライフサイクルコスト管理の必要性
(2)車輌のライフサイクルコスト管理のポイント
(3)トラック運送事業における環境配慮型設備投資の基本的考え方
(4)ライフサイクルコストの算定と設備投資意志決定の活用
5.外部環境会計
(1)環境会計のガイドラインの概要
(2)外部環境会計の事例
■第8章 荷主と連携した環境経営-3PLを中心として-
1.物流効率化を通しての環境経営
(1)効率的で環境負荷の小さい物流を目指して
(2)国の支援措置
2.3PL(サード・パーティ・ロジスティクス)とは
(1)部分最適から全体最適へ
(2)3PLの基本概念
(3)荷主に喜ばれる物流システムの設計
(4)日本の3PL市場構造
3.3PLの具体的展開
(1)物流の進化と業界の対応
(2)3PL人材の育成
(3)荷主企業から見た必要人材
(4)3PL事業に必要な機能
4.3PL事業への参入パターン
(1)自社の得意分野を生かした参入
(2)他社との連携による参入
(3)3PL事業への参入形態
5.3PLと環境経営
(1)3PLに期待される物流コストの削減
(2)物流コストと環境負荷
(3)荷主企業も物流事業者も良くなる道
■第9章 ISO14001認証取得の進め方
1.ISO14001とグリーン経営の特徴
2.グリーン経営のポイント
(1)ルールを作って守る体質づくり
(2)グリーン経営のレベルアップ
3.ISO14001認証取得の手順
(1)ISO14001のステップアップ
(2)フェーズ1:経営者が信念を固める-環境経営への決断と組織づくり
(3)フェーズ2:自社の現状を分析する-環境影響評価と環境法規則
(4)フェーズ3:環境方針から実行プログラムへ-具体的な計画づくり
(5)フェーズ4:環境教育で部門内に浸透させる-意思疎通組織の活性化
(6)フェーズ5:経営者による見直しを行う-実績のチェックと是正活動
4.ISO14001認証取得事例
(1)環境ISOの認証取得への取り組みの経緯
(2)環境対応型経営への転換
(3)計画設定と実績検討
(4)初年度の実績状況
(5)ISO14001取り組みの成果と課題
■第10章 環境経営自己診断チェックリスト
編者 |
日本創造経営協会 |
発行所 |
株式会社同友館 |
本体価格 |
1800円(税別) |
判型 |
四六版 |
頁数 |
263ページ |
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