トラック経営革新
いま、トラック運送業界では、「中小企業経営革新支援法」に基づいて、経営の高付加価値化を実現することが急務となっている。
本書は、企業家精神を創造し、時代の要請に合った経営革新をどう実現するか、豊富な事例を交え具体的に解説した。
■序章 トラック運送事業の経営革新
― 物流革新の担い手となるために
序章では、社会システムの転換と物流、トラック輸送の変化とトラック運送事業への期待を明らかにし、さらにトラック運送事業経営者が環境変化に創造的に対応していくための経営革新 ― 経営意思決定とその展開の概要を述べている。
1:変化こそ経営革新の機会
2:経営革新への決断
3:ネットワークを活かす企業群経営
■第1章 経営革新の変化とトラック運送事業
― 戦後の輸送から21世紀エコ・ロジスティクスへ
第1章は、業界の長期的な歩みについて整理している。現在のトラック運送事業の課題や動向だけでなく、企業をめぐるトラック運送事業の変化の本質を見極めることが経営革新の前提となる。
1:戦後のトラック運送事業の歩み
2:輸送からロジスティクスへ ― 輸送機能の高度化
■第2章 物流市場の変化とトラック運送事業の経営革新
― 輸送の進化と業界革新がなぜ求められているのか
第2章は、トラック運送事業の現状とともに、荷主の立場から物流革新について要請を明らかにし、さらにトラック運送事業の付加価値分析を通じて、経営革新と価値創造との関連を述べている。
1:荷主市場の変化と物流革新
2:トラック運送事業の現状
3:トラック運送事業の経営力 ― 付加価値分析を中心に
4:トラック運送事業の経営革新
■第3章 企業家精神と経営革新
― 変化の時代こそ企業家のチャンス
第3章は、経営革新の主体である経営者に求められる企業家精神の創造と経営革新の展開について述べている。しかもその中心テーマは、新たなサービス・技術の開発活動の展開である。そこには経営者による企業の将来の構想 ― 経営ビジョンに導かれた経営がある。また、それを実現する人材の確保・育成が経営革新を実現してゆく鍵となる。
1:企業家精神の発揮が求められている
2:明確な信念のある経営ビジョンを構想する
3:経営革新の展開
4:企業家の能力特性
5:経営組織の革新と人材の確保・育成
■第4章 企業家精神と経営革新
― どうすれば高付加価値化が可能か
第4章は、具体的に業界の経営革新に取り組んでいる企業の実例と分析である。その中心となっているのは、社団法人全日本トラック協会「中小トラック運送事業における経営高付加価値化に関する調査報告書」(平成11年3月)である。調査に協力していただいた企業の経験知こそ、これからの業界の事業開発の善き種であると感謝したい。
1:経営の高付加価値化についての視点
2:物流情報システム
3:企画提案営業の必要性
■第5章 組織づくりと物流人材の育成
― 企業体質は一人では革新できない
第5章は、業界経営革新実現の鍵となる人材の育成を取り上げている。物流サービス・技術の開発を担う人材の確保・育成は、言い換えると企業生命の担い手でもある。求められているのは、物流技術や知識と同時に企業家精神を持った中核人材である。
1:生命ある組織づくり
2:物流コンサルティングと経営基本機能担当者の育成
3:革新型企業に欠かせない中核人材の存在
■第6章 経営革新計画 ― ケースモデル
― 確かな経営革新こそ成功への道
第6章は、具体的経営革新計画の体系とシュミレーションモデルを紹介している。財務シュミレーションモデルによって、過去延長的経営の限界と将来の予測は経営計数によって明らかになる。既存事業の効率化、新事業の開発に限られた経営資源を有効に活用し、経営目的を達成していく具体的過程が明らかにされている。
1:経営革新計画の体系と策定のステップ
2:経営革新計画の事例
■第7章 経営革新チェックリスト
― 経営革新に関連する10項目でチェックしよう
第7章は、経営革新に基本的事項がチェックリストとしてまとめられている。
編者 |
日本創造経営協会 |
発行所 |
株式会社同友館 |
本体価格 |
1,800円(税別) |
発行日 |
1999年9月30日 |
判型 |
四六版 |
頁数 |
269ページ |
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