2013/01/07

高速通信規格

第3世代移動通信システムとは、国際電気通信連合 (ITU) が定める「IMT-2000」 (International Mobile Telecommunication 2000) 規格に準拠した通信システムのことである。

ITUは5種類の地上系通信方式と6種類の衛星系通信方式を1999年に勧告した。日本の例では、NTTドコモやソフトバンクモバイル、イー・アクセス(イー・モバイル)が採用しているW-CDMA方式(欧州ではUMTS方式と呼ばれる)やKDDI・沖縄セルラー電話連合 (au) が採用しているCDMA2000 1x(当初はCDMA2000)方式がある。

ITUでは、2007年11月現在、世界100か国以上の700を超えるネットワークで8億以上の加入者が存在するとしている。一般的に英語の「3rd Generation」から、「3G(スリージー)」と呼ばれている。

スマートフォンの普及に伴い、LTE(Long Term Evolution)の話題が増えている。これはW-CDMAの延長線上にある、第3.9世代の標準通信規格である。LTEは第3世代や第3.5世代と同じ電波周波数帯(1.92GHz~2.2GHz)を使用している。伝送速度は下り100Mbps以上、上り50Mbps以上と光ファイバー並みの高速である。

さらにLTEでは、第4世代で採用予定の、無線アクセス技術であるOFDMA/SC-FDMAやアンテナ技術のMIMOなどを使用している。第4世代の標準通信規格はIMT-Advancedと呼ばれている。第4世代はITUが標準通信規格をまとめているが、LTEを発展させたLTE-AdvancedとWiMAXを発展させたWiMAX2の2つの通信規格をIMT-Advancedとして承認し、どちらの規格も標準化が進められている。

第4世代においては、最大1Gbps程度の大容量超高速データ通信の実現を目指している。このため、第4世代で使用する周波数帯として日本では3.4GHz ~3.6GHz(これを3.5GHz帯という)が予定されている。ただし、高い周波数帯を使用する課題として、電波の直進性が強くなり、障害物にさえぎられるため、室内に届きにくくなる可能性がある。また、降雨に際しても通信が途絶えるという問題が指摘されている。

また第4世代は、IPv6に対応したIP通信になる。さらに、無線LAN、WiMAXやモバイルWiMAX 、Bluetoothなど他の様々な無線通信と連携できるようになる。これらが実現されることにより、固定通信ネットワーク、移動通信ネットワークに関わらず、他の様々な通信ネットワークをシームレスに利用できるようになることが期待されている。

(文責:岩崎 明 2013)