若手コンサルタントのある一日 その1
導入
中小企業の経営コンサルタントの仕事は多岐にわたります。
理由としては、お客様の課題が多岐にわたり、それを解決するのが経営コンサルタントであるためです。
そのため、経営診断や事業計画策定、経営管理の指導、人材育成及び研修など幅広い仕事をします。
分かりにくい経営コンサルタントの仕事の例を若手コンサルタントの一日を例にご紹介いたします。
先輩K氏のある一日
K氏は入社7年目のコンサルタントで、製造業、卸売業、物流業、小売業など業種にとらわれず、多くのクライアントを抱えています。また、多くの再生企業の診断及び再生指導も行っています。
弊社は企業再生から出発している会社という経緯もあり、経営診断だけでなく、再建も顧客と一緒に行うコンサルティングを行っています。
そのようなK氏の再生診断の一日を見てみましょう。
201X年7月15日
15日は、製造業のC社にて来期の経営方針及び計画について社長と打合せ。C社は赤字企業であったが、誠実に経営改善を行い、今では高収益体制となっていますが、課題は次期経営幹部候補の不在。そのテーマについて検討しました。
その後、明日は水戸での仕事のため、移動し、後輩のEくんと待ち合わせ。
明日行う事を少し打ち合わせした後は、せっかくの水戸なので、地元の食材を使っている飲食店で夕食を堪能!
明日は再生企業の診断。再生企業の診断では、外部からの専門家は敵対視される事もあり、非常に対応が難しいこともあります。おそらくハードな一日になるので早めの就寝。
201X年7月16日
8:30に先方のW社の社長が迎えに来てくれて、そのままクライアント先に。午前中は、会社の概要を説明頂き、創業からの歴史や再生に至った理由をヒアリング。また、今後の事業戦略立案のために事業についても詳細に伺う。
その後、会議室をお借りして、決算書を調査。中小企業の場合、会計上正しい処理がされていないケースも多い為、決算書をチェック。ヒアリングの内容を踏まえて、財務デューデリジェンスの必要性を感じたので、後日、再調査する事にしました。
また、事業別損益を内部で作成されていたので、その内容もチェックし、どの事業が不採算か、また、どの事業に可能性があるかのあたりをつけました。
お昼休みは、先方の社長にごちそうになり、雑談も踏まえ、色々な話をしました。色々な話をしながら信頼関係を築く事は、コンサルタントとして重要なことです。
午後は、後輩は財務の調査、私は事業の調査を行うことにしました。まず、社長に同行してもらい、W社の現場を視察。製造業である為、レイアウトや人員配置、設備などをスケッチし、また、どのような製品を作っているかを工場長に説明を受ける。このような調査を行い、後日、業界情報や展望について、調べるため、ヒアリングは非常に重要です。その後、工場長から現在の問題点等を聞き、現地訪問終了。
戻ると、後輩のEくんも今日のタスクは終了していたので、お互い報告し合い、社長に報告し、その日は終了しました。
W社に対しては、その後、財務デューデリジェンスと事業デューデリジェンスを行い、その上で、事業計画及び弁済計画を立案し、金融機関へ新規借入とリスケをお願いしました。弊社の場合、計画や金融機関対応だけでなく、その後も再生を支援することも多いです。W社に関しても、現在も毎月訪問し、一緒に経営改善を行っています。
先輩K氏からひと言
経営コンサルタント業は問題も多岐にわたり、全てに対して知識があるわけでは無いため、行動力と学習意欲が非常に重要な職業です。また、クライアントそれぞれの背景も考慮し、また、社長や幹部、従業員の背景も考えた上で、仕事をしないとうまくいかないことも多いです。
非常に大変な仕事とは思いますが、クライアントと深い人間関係を築くため、やりがいを持った仕事ができ、クライアントとともに喜びも悲しみも味わえる仕事です。