長期改善を見越した事業再生

企業の業績悪化により危機的状況になるには必ず原因があります。昔の成功要因にしがみついたため外部環境の変化に気づけないケースや放漫経営など様々なケースがあります。当社では、再生に至った原因と企業の良い部分をはっきりとさせ、その企業にあった再生プランを作成し、支援する事を心がけております。

当社は、創業期より多くの企業を支援し、再生へと導いていきました。多くのコンサルティングファームでは再生のために人員整理を中心としたコストカットを行いますが、短期的利益は出ますが、中長期的な成長まで見越していないケースが多く見受けられます。当社では、人員整理よりも現在の経営幹部・従業員の意識を変え、再生への源泉となるようなコンサルティングを基本としております。

早急な現状把握と止血の必要性

2008年リーマン・ショックから数年たった今においても、未だ企業の経営環境は好転しない状況です。2008年から2010年にかけて毎年10,000件以上の企業が倒産しています(参照:TDB 倒産集計)。

需要が低迷する中、既存事業のライフサイクルは衰退に入り、財務基盤が弱い場合に経常損失の常態化、場合によっては債務超過という様な状況になります。このような状態になった場合、事業構成の抜本的な見直しが必要となります。一度企業・事業が傾くと、財務・資金状況の悪化に伴い、そこから好転させる機会は時間とともに少なくなっていきます。そのため、まずは不採算事業からの資金流出の抑制・停止、もしくは撤退に関して早急に検討・実行することが必要となります。

“止血”と現状の財務によって、再生では時間的な猶予が決まります。そのため、再生では財務から正確に判断することが重要です。具体的には残された資金や売却可能な資産になります。そのため、企業再生の第一歩は財務を明らかにすることとなります。資産の内容を精査するとともに、損益及びキャッシュ・フローを明確にしていきます。

新たな成長に向けて取り組むことが本当の再生

現状の損益状況や財務バランスが把握でき、”止血”ができれば再生できたわけではありません。次の成長の種を芽生えさせ、育てることができてこそ、本当の意味で再生に乗り出したと言えるでしょう。また、再生の全てがコストカットにつながるのではありません。実際に削減すべきコストは削減しますが、それで企業・事業が再生することはありません。その後の、成長があってこそ企業は再生できます。

そのために、本当に重要なのは、事業それぞれのビジネスモデル、収益性、将来性などを総合的に判断し、新たな成長ファクターをつくり上げることが再生のカギとなります。どこに今後もまだ収益をあげられる余剰があり、周辺市場にどれだけの成長余地があるのかを明らかにすることが、この状況下では何よりも重要です。そこから、成長ファクターに対して経営資源と集中し、徹底してその事業を強化していくことが何よりも重要になるのです。

6-1_03

このように、企業・事業再生は非常に大きな意思決定を伴います。そのため、経営者・事業責任者一人で実現することは不可能です。幹部の協力が必要不可欠となります。また、内部だけでなく更に外部の利害関係者、特に金融機関においては借入金返済のリ・スケジュールなどの協力を必要とします。

真の再生には新規事業の立ち上げが必要

近年、非常に環境変化が激しく、現業のビジネスだけを守り通していては生き残れない時代になってきました。再生企業から脱却するためには不採算事業からの撤退も必要なケースが多く、結果として企業規模を縮小しなくてはならなくなるケースも多くあります。

ただし、企業が永続企業として発展し続けるためには、縮小だけでなく、新規事業を立ち上げる必要があります。新規事業立ち上げを成功させるポイントとしては2点あります。1点目は、本業でキャッシュが生み出せていること、もう1点は、自社の今までの取り組みとかけ離れた事業や思いつきではなく、創業の理念や経営理念をベースに、自社の強みを理解し、魅力的な市場を見つける事です。

まず、本業でキャッシュが生み出せていなければ、成功率が数%しかない新規事業に企業の存続をかけることは非常にリスキーであり、また、そのような状況では保守的な事業となりがちです。そのため、ある程度余裕がある状況で、次世代幹部層を中心にプロジェクトを運営することで新しい発想に基づく事業が立案されやすく、幹部育成も同時に行えます。

6-2_03

また、新規事業立ち上げは勘や経験だけではなく、「調査分析」、「新規事業の方向性」、「新規事業計画」の3点を手順を踏みながら実施する事が重要と考えています。これらを適切にPDCAサイクルをまわすことで、成功する新規事業が立ち上げられ、また、これが社内で体系化出来れば、常に新しい事業が生み出せる体制が整います。

事例紹介

タイトル 詳細
運送会社の黒字体質への転換 こちら
運送業のRed Change to Black(赤字から黒字へ) こちら