2015/11/26

情報を活かした改善事例 | 経営に活きるシステム開発

事例企業で困っていること

自社の決算書や資金繰りの厳しさを見て、「何か改善しなければならないな」と思う経営者の方は非常に多いと思います。ただ、実際には下記のような問題を抱えている会社も多いのではないでしょうか。

・手を打たなくてはならないと感じていても問題箇所が分からない

・何となく問題点は分かるが改善方法が分からない

・改善策を実施したが効果が出ない

H社における改善事例

H社は水産加工業を行っている年商約12億円の企業です。当初、「頑張って、残業して多くの製品を作っている。それなのに全く利益が出ない。」という内容の相談を受けました。確かに多くの残業を行い、頑張って売り上げを作っていましたが、赤字が続いていました。

H社の事業は水産物を扱っているため、仕入れも時価、販売も時価という特殊性がありました。このような事業の場合、自社で作っている製品のコストを把握していないと、販売時点で損しているのか利益が出ているのか判断できません。また、販売価格の予測が立たないと、

この価格で仕入れて利益が出るのかという事がわかりません。そのため、当時のH社は利益が出るかどうかはギャンブルみたいなものでした。

会計レベル向上による改善

上記のような特性があるため、まず製造原価を把握するためのシステムを構築しました。H社では生産台帳と呼ばれる使用量及び生産量を記載していましたので、その情報をそのまま活用し、個別製造原価を出すソフトウェアを開発・導入し、経理で原価算出、営業でその情報を活用するという仕組みを1年かけて構築しました。また、1年間のデータがたまったところで、過去の販売価格から直近の販売価格の傾向を出し、販売価格の低迷時期に高価な仕入れを行わない対策を行うことで、継続的に利益を出せる財務体質に転換できたのです。

まとめ

改善を行うためには数値的根拠が必要です。下図のように数値で問題を把握すると改善活動の効果検証もでき、その対策を検討することができます。また、その数値をどのように生かすかというマネジメントシステムの両輪がそろうと結果が出る改善活動が可能となります。

【情報を活かした課題解決の流れ】


【参考:弊社の開発したH社向けリアルタイム原価把握システム】


※個々の製品毎の原材料構成及びコストが一目で分かります。


※リアルタイムで採算がとれているかいないか一目で分かります。


※日報データを登録することで製品毎の生産性も把握でき、改善に役立てます。